Music Factory Tokyo

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  • レポート「6/20(土)開催 Music Creators Workshop~作詞編~『言葉の匂い〜7割表現の美学〜』zopp×多田慎也」
    音楽機材やネット環境が充実した近年、急増している音楽作家志願者から、作詞家にスポットを当てた音楽ワークショップ『Music Factory Tokyo presents「Music Creators Workshop」~作詞編~「言葉の匂い〜7割表現の美学〜」』が6月20日に開催された。

     この日の講義では、AKB48「ポニーテールとシュシュ」や嵐「マイガール」を手掛けている多田慎也がヒット曲に隠された歌詞の“仕掛け”を解説。ゲストには修二と彰「青春アミーゴ」や、山下智久「抱いてセニョリータ」など、数々のヒット曲を手掛ける作詞家であり、『作詞クラブ』の主宰として未来のヒットメイカーを育成しているコトバライターのzoppを迎えて様々な話が繰り広げられた。なお、今回の講義は3部に分けて行われ、第1部では2人による「作詞とは」というテーマについてのトークセッションが、第2部では受講生と講師がコミュニケーションを行う『グループディスカッション』が、3部では受講生からの質問に2人が回答する「質疑応答」が実施された。

     また、この日の来場者には、協賛のパイロット社から作詞にちなんだ「フリクションボールペン」が、zoppから手書きのサイン入り栞が、イベント事務局からは「付箋」がそれぞれプレゼントされた。冒頭、受講生の前に多田とzoppが登場。セッションのテーマである「作詞とは?」について、zoppは「誰にでも言ってるけど、作詞には算数的な『1+1=2』という答えは存在しない。クライアントごとに好みが存在するので、相性のいいクライアントさんに出会えるといいですね」とコメントすると、多田は「『歌』というもの自体、詞と曲が一つになって出来上がるものだから、それぞれは部品だと考えている」と、作詞・作曲・編曲まで全てを手掛ける彼らしい意見を述べ、早くも会場の受講生からは感嘆の声が漏れた。

     その後は「譜割り」について、zoppが「作詞には幾つかのルールがあるけど、その中でも簡単だと思わせてとても難しいもの」と指摘したり、「音乗り」について多田が「作詞家と作曲家の間で『このメロディーを変えてくれたら、この言葉が入れられるんだけど…』というコミュニケーションはあった方が良い」と問題提起する場面も。続く「テーマ」を決めることの重要性について、zoppは「テーマは大抵の場合、クライアントさんから提案されるけど、『好きなものを書いてください』と言われたときに、本当の実力が問われる。だから、発注がなくても普段からテーマ設定を意識して自発的に書くことが大事」とアドバイスすると、多田は「仮歌詞を入れていると、そこからブラッシュアップをお願いされることが増えた」と、ワンストップ的な作業が求められる近年において、楽曲のテーマに基づいた仮歌詞を書くことの大事さを明かした。



     中盤では、zoppが「メッセージ」というお題について「聴き終わった後に何も残らない作品が多いのは、メッセージが欠けているから」と厳しく指摘すると、多田は「僕が作曲をして、一流の方に作詞していただいた場合、楽曲に込めたメッセージを見事にくみ取って言語化してくれることが多い」と、一線級の作詞家に必要な能力を説いた。続いて「コンセプト」「プラン」といった作詞に必要な設定の部分を講義した2人は、最後のお題である「7割表現」についてトーク。zoppが「作詞は説明文じゃダメ。話す時に説明っぽくしても響かないから、その人に伝わる表現をしなければいけないのに、一人でも多くの人にも伝えないといけない。だから、表現は明確にせず、リスナーの手に委ねるポイントをいくつか作らないといけない。それは日本人の『侘び寂び』に近いのかも」と解説すると、多田は「人にわからない歌詞はダメだけど、読んだ人が全員同じように捉える歌詞もダメ一番いい作詞は、『入ってくるけど、ちゃんと残るもの』」と、作詞の真髄を語り、講義は終了した。

     第二部のグループディスカッションでは、この日訪れた受講生を8つのグループに分け、それぞれの班に与えた課題曲について、ディスカッションと代表者によるプレゼンテーションを実施した。与えられたお題は嵐「Monster」やB’z「愛のままにわがままに僕は君だけを傷つけない」、Mr Children「innocent world」にmiwa「Faith」など様々。幅広い世代の受講者が、アーティストと歌詞の関係性、行間に込められたメッセージ、歌詞が対象としているものなどを議論した。プレゼンテーションでは、嵐の「Monster」について、受講生が「最初の<(Oh NO!)>で、タイアップ作品の主演を務める大野智さんを表すなど、遊び心がある」と発表し、講師2人から高評価を得ると、B’zの歌詞についてはzoppが「稲葉浩志さんは作詞する時に山に篭るらしい」と豆知識を披露。また、Mr Children「シーソーゲーム〜勇敢な恋の歌〜」について、多田は「桜井和寿さんが詞に関して起こした革命に、悩まされている作家さんも多い」と、独特な作詞法であり、日本のポップソングを変えた譜割りを使用していることを明かした。また、この日の受講生たちについて、zoppは「言葉に敏感な方たちなので、理解が早い」とコメントすると、多田も「いいなと思う箇所は被りますよね。だからこそこれらの楽曲がヒット曲になるんでしょうね」と、ヒット曲について語った。



     最後の質疑応答では、「楽曲のなかでBメロから作るのは効率的ではない?」や「男性が女性目線で書く際に気をつけること」といった技術的なことから、「仕事と私生活と作詞の両立に苦労している」、「良い恋をしなければ、良い恋の歌は書けないのでしょうか」というプライベートに踏み込むものまで、幅広い質問が寄せられた。この日受講生を一番唸らせたのは、zoppがアイディアの源泉として「必ず1日1本、それまで見たことない映画を見るようにしている。DVDだと自分の好きなジャンルを見てしまうので、ケーブルテレビで映画チャンネルをたくさん契約し、メッセージやキャラクターをメモしながら見ている」と明かしたこと。これを聞いて早速実践に移そうと思った受講生も多かったのではないだろうか。また、多田は「とある作家がこの世に何曲を送り出したかということを、趣味の範囲で調べるんですが、秋元康さんは約3700曲らしいです。彼が中原中也の詩集に寄せていたあとがきで『職業作詞家は人の心に寄り添うほかない』と書いていて。なるほどと思ったことをみなさんにも伝えておきます」と最後に受講生へメッセージを贈り、ワークショップが終了した。

     また、この日はタダシンヤの楽曲「東京、さよなら」について、新たな歌詞を制作するという事前課題も与えられており、受講生たちが提出した課題について、多田とzoppがそれぞれ添削したシートを与えられるという、この場に訪れた者ならではの特典も渡された。なお、今回の『Music Factory Tokyo presents「Music Creators Workshop」~作詞編~』は、全部で3回実施され、次回8月29日は藤林聖子を、3回目には下地悠をゲストに招いて行われる予定だ。そして、8月8日、9日には名阪で初の出張講座『「Music Creators Workshop」~作曲編~』の開催も決定。こちらは多田慎也・松田純一が講師として登壇することになっている。





    >Music Factory Tokyo presents「Music Creators Workshop」~作詞編~開催決定

    <開催概要>
    Music Factory Tokyo presents「Music Creators Workshop」~作詞編~

     2015年6月20日(土) 「言葉の匂い~7割表現の美学~」
     講師:zopp、多田慎也

     2015年8月29日(土) 「言葉の幅~特撮・アニソンからアーティストものまで~」
     講師:藤林聖子、多田慎也

     2015年10月24日(土) 「魅力的な伝え方とは~コトバ選びと構成テクニック~」
     講師:下地悠、多田慎也


     場所:テレビ朝日ミュージック 本社屋
     開場13:30/開講14:00
     料金:1講義2,500円、2講義5,000円、3講義7,500円(税込)

    >チケットの購入はこちら


    zopp

    1980年2月29日生まれ
    アメリカ、マサチューセッツ州ボストンの大学でコンピューターテクノロジー専攻。 16歳の時、初めてのアメリカ留学を経験。その時に勉強の延長線上で様々な海外アーティストの歌詞を翻訳している内に、作詞の世界に魅せられ作詞家を目指す。作詞活動と並行して、作詞家の育成(zoppの作詞クラブの講師)、ネーミング等を考える(コトバライター)、テレビ出演など、多岐にわたって活躍の場を広げている。
    2013年11月11日に、初小説「1+1=Namida」(マガジンハウス)を上梓し、小説家デビューを果たす。
    オフィシャルサイト


    多田慎也

    東京生まれ。千葉育ち。
    高校時代より作詞、作曲を始める。
    その後関東近郊での地道なライブ活動を経て、2007年2月作詞、作曲家としてデビュー。 以来、嵐をはじめ様々なアーティストの楽曲制作に関わるようになる。
    2009年シンガーソングライターとして全国デビュー。
    2011年シングル「優しいヒーロー」がNHK「みんなのうた」でオンエア
    。 2012年作曲をしたAKB48「ポニーテールとシュシュ」でJASRAC賞銀賞を受賞。
    2013年1月には、シンガーソングライターとして赤坂BLITZ単独公演を成功させている。
    オフィシャルサイト


    2015.07.16

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