Music Factory Tokyo

Music Factory Tokyo

  • 音楽作家塾
  • Music Factory Tokyo presents「Music Creators Workshop」
  • メールマガジン
  • YouTube
  • instagram
  • musicるTV
  • レコーディング女子
  • 宮地楽器
  • search


special

  • 1/23(土)開催「Music Creators Workshopキャッチーな曲のヒミツ教えます!~王道歌謡曲の作曲テクニック~」板垣祐介×多田慎也
    『Music Factory Tokyo presents「Music Creators Workshop」キャッチーな曲のヒミツ教えます!〜王道歌謡曲の作曲テクニック〜』が1月23日、テレビ朝日ミュージック本社屋(港区六本木)で開催された。

    ナビゲーターを務めたのは、AKB48「ポニーテールとシュシュ」や嵐「マイガール」の作曲で知られる多田慎也。ゲストにはAKB48グループ楽曲の作編曲やハロー!プロジェクト系アイドルの編曲、でんぱ組.incではライブでのギター演奏や「ORANGE RIUM」の編曲を手掛けた板垣祐介を迎え、ヒット曲の“仕掛け”を解説した。

    冒頭、作曲と編曲をメインに手がけることの多い板垣は「最近のコンペでは曲がはじめに採用されて歌詞がつくので、作編曲ができると、最初の段階は好きなようにメロディもオケも音色もコントロールできる」と前置きし、編曲については「他のアーティストに提出して通らなかった楽曲も、アレンジすることで別の曲として他の機会に提出できますしね」とコメント。これを受けて、普段作詞・作曲をメインにしている多田は「僕の強みは歌詞と曲が一緒にできること。作詞家と作曲家が分業制になっていて、話し合えないことが多いのですが、作詞曲両方ができると、それが自分の中で可能になる感じ」とし、制作において複数の仕事がこなせることのメリットを強調した。

    この日始めに行なわれた「事前課題添削」のお題は、「渾身の1曲」。採用者はパラデータ(楽器パートごとの音源データ)も提出しており、多田と板垣はそれらのデータをもとに各楽曲を解説した。1人目に発表された受講生のデータを見た板垣は「全体的に元気が欲しいかも」と、ドラム音源を自身の愛用する「Addictive Drums 2」で打ち込んだものに差し替えて公開し、また「ギターが寂しい」と、その場でギターを弾いてアレンジを提案。多田も「レンジを意識して楽器を足していくのは大事」と、鍵盤で「抜けるポイント」を作ってみせるなどし、これに応えた。



    また、多田は完成度の高いデモを持ち込んだ2人目の受講生に対し「あえて課題を挙げると、サビの抜け感を出すために厚めのコーラスを入れるべきかも」と話し、実際に多田がコーラスを積んだデータを公開。3人目の受講生は、この日一番精度の高いアレンジを手がけており、これに対して多田は「毎回レベルが上がっていて、ワークショップやっていて良かったと思った」と全体のレベルが底上げされていることに感心していた。



    ワークショップ後半は、板垣と多田が実際の提供楽曲で使用したデータをもとに講義を実施。まずは板垣の手がけたAKB48「ギンガムチェック」のオーディオデータ(ステム)を例に、楽曲の組み立て方を解説した。板垣は同曲の第一稿を実際に公開し、多田は「これは通りますよ、熱量がある」とこの段階で完成度が高いことを褒めたたえた。板垣はコンペに楽曲を提出する際「丁寧に作る」という意識を忘れないようにしているそうで、「基本的に時間がない中で作りますが、終わりまでちゃんと気を抜かず、適当な印象を与えないようにする心構えが大事です」と受講生たちに教えると、続けて「気持ちを込めて作ったものって伝わるから」と、データにも作り手の気持ちが表れていることを述べた。また、多田の「こういうのをやっちゃいけないと思うポイントは?」と質問に対しては、板垣は「イントロとエンディングがちゃんとしていないもの。イントロによって大きく曲の印象は変わるので、そこをちゃんと作っていない人はダメ」と指摘している。

    ここで板垣は自身の曲作りについて「いつも作るときはメロディからで、まずは鍵盤で鼻歌に合わせてコードを弾いたり、ギターで作ったりしたものを録音しておいて、DAWを立ち上げる。そこからシンセメロで打ち込んでドラムを入れますね」と語り、先にリズムをある程度固める理由を「ドラムである程度キメの箇所を作っておきたいんです。アイドルだと『パン、パパン、ヒュー』みたいなところが大事なので」とし、楽曲の盛り上がりポイントについて、ある程度最初にスケッチすることの重要性を説いた。

    また、板垣は装飾過多になりがちなアイドルソングの作り方について「バンドっぽいアレンジの曲は、ドラム・ベース・ピアノ・ギターで完結するようにして、そこで初めてシンセやストリングスを入れます」と順序を説明。続けて「どうしても派手に派手にと言われる場合は、普通に聴いていても聴こえないところとして、タンバリンやアコースティックギターを足しつつ、主役の歌を消さないようにしている」と、アレンジの工夫を明かした。

    ここで展開されたのは、同ワークショップ初となる企画。板垣が作ったオケに多田がメロディを乗せ、実際に板垣が作ったメロディと重ね合わせて比較するというものだ。2人はその前に受講生の中から候補者を募り、即興でトライしてもらう企画も実施。受講生のチャレンジ後、多田は「強い女の子というイメージがあって。季節でいうと夏というか、強気な衣装で歌っている感じ」と、自身の作ったメロディを披露。この場で多田のメロディを初めて聴いた板垣は「素晴らしい! 多田さんっぽい曲ですね。どう転んでもキャッチーになる感じ」とコメント。板垣が“正解”のメロディを発表すると、多田は「ここには歌を入れないんだ!?」など、お互いに違った思考をしている部分が如実にわかる結果となった。

    続けて行なわれた質疑応答では、受講者から「アイドルソングを作る上でのキモは?」という質問が寄せられ、これに板垣は「キメをとにかく作る。つんく♂さんからも言われました」と回答。多田は「絵が浮かぶこと」と、楽曲を作る上で欠かせない“情景描写”の重要性を説いた。また、多田は「サビを引き立たせるため、AメロBメロにどのような工夫をしますか?」という質問に対し「あえて予定調和を作って、尖らせたところはすぐに引っ込めることでより引き立つ」と、強弱の付け方を伝授した。

    また、板垣は「バッキングが埋もれないための音作り」のテクニックについて質問してきた受講者に対し、「歪ませないこととローをカットすること。音域の棲み分けをする。ギターに限って言えば、ベースや歌と当たらないように気をつける」と回答。「音数が多くなってしまう傾向がある」という相談者にも「気持ちはわかるけど、なんとか優先順位をつけないと。歌ものであるならば、歌と被っている帯域の楽器はなるべく音を間引くように」と実践的なアドバイスを送った。

    最後の質問として寄せられたのは「年をとるのが怖いです。ずっと10代~20代の感性を大事にする方法を教えてください」という大きなテーマ。これに対 し、多田は「10代のころの感性なんて戻ってこない。だからこそ、常にフレッシュでいることが大事で、最近は余計なプレイバックをしないんです」と、常に 新鮮な気持ちで、自分や他人の音楽を聴いていることを明かした。続けて板垣は「年を取ってからも身につくものがあるはずなので、それはマイナスにせずにプ ラスに変えていけばいい」と語り、続けて「僕は新しいソフトウェアを買うだけでワクワクしてフレッシュな気持ちになるので、そういう気分転換やインプット をしてもいいかも」とも。充実の内容で、質疑応答は終了した。



    最後に板垣は「最後の方は思っていたより緊張しなかった」と徐々に雰囲気に慣れてきたことを明かすと、多田は「今までの中で一番具体的なワークショップだった」と今回を振り返った。最後に多田は「ポップの正体って誰もわからない。濁流の中で僕らはもがいている。2人ともバンド出身だから、ポップから距離をとることも考えたはず」と前置きした上で、「だけど、ポップで飯を食っていくことって何よりも嬉しいことだと気付いたんです。僕らの仕事はある意味ポップとの戦いで、何をすれば人が喜ぶかを追求し、その中で自分らしさを見つけた人が続けていけると思う。人間の繊細さを信じるのが音楽作家に課せられた使命」と熱いメッセージを送っている。

    実際の制作データを見ながら、具体的なアレンジ術を生徒たちに伝授した今回のワークショップ。次回は2月27日に『原曲の良さを100倍生かすアレンジ術』と題し、AKB48グループやSexy Zone、ももいろクローバーZ、AAAなどの編曲を手掛ける生田真心を講師に迎える予定だ。

    ▼生田真心がMusic Creators Workshopに初出演決定!

    Music Creators Workshop
    原曲の良さを100倍生かすアレンジ術

    日程:2016年2月27日(土)
    講師:生田真心
    ナビゲータ-:多田慎也
    場所:テレビ朝日ミュージック 本社屋
    料金:3,500円(税込)





    2016.02.17

  • search


page uppage up