Music Factory Tokyo

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  • eyelisが考える“自分たちらしさ”とは?「僕たちの音楽は基本的にアニメありき」(前編)
     KinKi Kids、AKB48、Doll☆Elementsなどを手掛ける川崎里実(以下、川崎)と、SMAP、竹内まりや、SKE48などで作編曲を担当する増田武史(以下、増田)、嵐、NMB48、NEWSなどに楽曲を提供している前口渉(以下、前口)により結成された、サウンドクリエイターユニット・eyelis 。メンバー個々がアニソンを手掛けていた縁で結成された同ユニットは、3人で共作してそれを歌う、という音楽作家とは別の側面も持ち合わせている。今回は5thシングル『ページ〜君と綴る物語〜』の発売に合わせ、彼らにインタビューを実施。前回のインタビューでは音楽遍歴や作家としての転機などのキャリア面を訊いたが、今回は作品に込めたテクニックや「eyelisらしさ」について、じっくりと語ってもらった。

    取材・文:中村拓海


    ――まずは新作『ページ〜君と綴る物語〜』について伺います。表題曲は矢吹香那さんが作詞を手掛けていますね。

    前口:
    矢吹さんは、女性の価値観を風景的に描くことが上手い人という印象です。絵が見えるような歌詞というか。
    川崎:
    たしかにそうですね。レコーディングのときも、風景を頭に浮かべながら歌える歌詞だと思っていました。彼女自身も『赤髪の白雪姫』が大ファンだということをよく聞いているので、フレーズのひとつひとつで主人公の白雪さんが走っているような感じがして。
    増田:
    僕も矢吹さんの詞は、強く押しつける感じじゃなくて、イメージで返してくれると感じています。

    ――この曲は作曲を川崎さん、編曲を前口さんが手掛けていますが、これはどういう経緯でしょうか。

    川崎:
    「ページ〜君と綴る物語〜」に関しては、詞先でそこに曲を付けていくという順番でした。なので3人がそれぞれこの歌詞に対して曲を提出し合い、私の曲を採用していただいたという流れです。個人的には詞先で作った曲のなかで、100点に近いものになりました。
    前口:
    この歌詞はメロディが嵌めやすかったよね。イメージが広がるように浮かんでくるというか。
    川崎:
    そうですね。タイトルに「ページ」という言葉が入っているように、ページを開くように場面が変わることを想像し、転調を何度か入れました。

    ――そうなんですね。では、前回と同じく、3人のなかでクレジットに入っていない方に楽曲の感想をそれぞれ伺いたいと思います。まずは、「ページ〜君と綴る物語〜」について増田さんから。

    増田:
    「ページ〜君と綴る物語〜」はeyelisらしさも含めながら、新しい一面を垣間見ることができた楽曲だと思います。具体的に言葉にするのは難しいですが、少し大人な感じというか。

    ――みなさんが考える「eyelisらしさ」とは?

    前口:
    僕は「頑なにアニメに寄り添っているところ」かなと。シンガーソングライターの方々が作る曲は、愛や恋をテーマにしたものが多いですけど、僕たちの音楽はあまりそこに向かわなくて、基本的にアニメありきなんです。だからこそ、アニメの世界観をどう表現するかというところに「eyelisらしさ」が表れているといえますね。
    川崎:
    そういう枠組みもありつつ、自由にやれています。私が普段の制作で作る曲に関しては、誰かに歌ってもらうものが基本なので、どういう曲が求められているか、レンジはどこまでなのかということを気にしがちなんです。でも、eyelisの場合は自分が歌うことを意識して自由にやれるのが大きな違いだとあらためて思いました。
    増田:
    結論として、川崎さんが歌って、それに対する前口さんのアレンジが入った時の音が、「eyelisの音」というか。それで僕が時折、アレンジをしたときも、それが一つ変わった音としてeyelisのらしさに繋がるんです。

    ――なるほど。続いて川崎さんと前口さん、増田さんの手掛けた「消えない想い」についての感想を聞かせてください。3人でユニットとして活動するなかで、1人がトータルで制作するのは初めてですよね?

    川崎:
    初めてですね。
    前口:
    最初、歌詞データをいただくまでは、川崎さんが書いていると思っていたので驚きました(笑)。
    川崎:
    前作「絆にのせて」の世界観をそのまま引き継いでいただけたような感じがしました。歌っていてもすごく好きだなと思える曲です。
    増田:
    この曲は「絆にのせて」を僕なりに引き継いで作ったので、まさにその通りです。合わせて聴いていただけるとうれしいですね。技術的なことに関しては、展開を多くして、「Aメロ→Bメロ→C」という構成とはかけ離れたものにしました。あと、僕はギタープレーヤーなので、アコースティックギターのバッキングや間奏のギターソロも聴いてほしいです。

    ――「ページ〜君と綴る物語〜」は前作に続いて『赤髪の白雪姫』のエンディングテーマとなっていますが、クールが違うとはいえ同じ作品に2曲以上提供するわけで、その際に気を付けることなどはありますか?

    増田:
    なるべくその作品の深いところに触れることですね。物語の内容がより深化しているぶん、2曲目を書くとなると、原作をより読み込むことになります。自分は今回カップリング曲の担当でしたけどそれは同じです。
    川崎:
    私は視点を必ず変えるようにしています。別のキャラクターにしたり、俯瞰で見た視点にしたり。アニメは登場人物それぞれの見方があって楽しいし、どこから切り取っても楽しめるので、その作り方が合っているといえます。
    前口:
    アニメに関しては、やはりプロデューサーやディレクターの考えとして「こういう展開で進んでいくから曲調はこうしたい」という方向性が明確にあって。そのリクエストに応えつつ、遊びも加えながら楽曲を作っていくという感じです。ただ、マニアックすぎてはいけないので、ポップスとしてできる範囲で。

    ――それぞれの楽曲でサウンド面はどのように工夫しましたか。

    前口:
    普段の自分だとギターは左右ダブルで録っているのですが、この曲に関しては「アコースティックな印象を前に出したい」と思いまして。よりシンプルに生楽器を聴かせるアレンジにしたくて、ギターもエレキとアコギを1本ずつにしました。よりアニメの世界観を伝えるにはどうしたらいいのか考えた結果、このアレンジに落ち着いたんです。サビは大幅にデモバージョンから手を加えましたね。
    川崎:
    前作は増田さんが手掛けたものだったので、私の中ではそこからガラリと変わったイメージでしたね。「絆にのせて」は中世の王宮をイメージしたラグジュアリーな音作りでしたが、今回はシリアスな展開も多くなるということで、楽曲に切ない感じを込めつつ、それでも希望はあるというメッセージ性を残すため、歌い方や楽曲に強い芯を残すようにしました。サビは、本当に前口さんのおかげという感じで(笑)。
    前口:
    川崎さんのデモも切ない感じがあってすごく良かったのですが、アニメのエンディングとはいえ、もう少し疾走感もあったほうがいいと思い、変更させていただいたという。
    増田:
    印象が明るくなったよね。

    ――「消えない想い」については、前口さんと川崎さんの手が入らないぶん、逆に難しいところもあったと思うのですがいかがでしょう。

    増田:
    最終的に川崎さんが歌うからeyelis感も出ると思っていましたし、そこまでプレッシャーはなかったですね。

    ▼eyelis(アイリス)プロフィール


    サウンドクリエイターの川崎里実・増田武史・前口渉により結成され、2012年5月30日に、「らぶこーる」(中川かのん)、「God only knows」(テレビアニメ「神のみぞ知るセカイ」)、「本日、満開ワタシ色!」(桂ヒナギク)、「Break+Your+Destiny」(可憐GUY’S)など、メンバーが作曲・楽曲プロデュースした曲を集めたセルフカバーALBUM「PRE-PRODUCTION」でCDデビュー。
    メンバー個々としてJ-POP、アニメソングなど幅広く楽曲提供をする一方、ユニットとしてアニメーション作品の主題歌などを担当。これまでに「CANT’ TAKE MY EYES OFF YOU」(「ハヤテのごとく!CANT’ TAKE MY EYES OFF YOU」OPテーマ)、「ヒカリノキセキ/未来への扉」(「神のみぞ知るセカイ 天理篇」主題歌)、「OUTLAWS」(「THE UNLIMITED 兵部京介」EDテーマ)のシングルをリリースしている。 ユニット活動開始から3年の2015年5月30日に新たな活動を開始。2015年7月から放送開始予定のテレビアニメ「赤髪の白雪姫」EDテーマがその第一弾となる。





    2016.02.05

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