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  • 「独りよがりという意味ではなく、自分に対して責任を持てるかどうか」 板垣祐介が明かす、楽曲制作のコツ(後編)
    AKB48グループ楽曲の作編曲や、モーニング娘。、Berryz工房、℃-ute、アンジュルム、といったハロー!プロジェクトの編曲、でんぱ組.incではライブでのギター演奏や「ORANGE RIUM」の編曲を手掛ける板垣祐介へのインタビュー。後編では、アイドル以外にも劇伴やギタリストとしても過ごす彼の仕事術や機材の話、1月開催予定のワークショップ『Music Factory Tokyo presents「Music Creators Workshop」キャッチーな曲のヒミツ教えます!〜王道歌謡曲の作曲テクニック〜』について、存分に語ってもらった。

    >板垣祐介が手掛けるキャッチ―な楽曲の核とは?「明るいイメージのものでも、心にグッとくるフレーズを」(前編)

    取材・文:中村拓海
    写真:竹内洋平


    ――アイドルブームの到来を経て、ハロプロのみならず数多くのアイドルへ楽曲提供を行い、現在は「でんでんバンド」(でんぱ組.incがライブを行う際のバックバンド)のギタリストとしても活躍しています。

    板垣:
    もともと同じ事務所の前山田健一が手掛けた作品では、レコーディングの際にギターを弾いていたんですよ。その後、ライブを行う際にバックバンドを入れるということで、でんぱ組.incのディレクターさんからお誘いいただきました。

    ――ギタリストとしてキャリアをスタートさせて、コンポーザーを経てまたギタリストとして起用されたということですよね。

    板垣:
    そうなんです。意外な形で夢が叶ったというか(笑)。ただ、でんぱ組.inc以外にライブでギターを弾くことはないですし、レコーディングに参加するのも、同じ事務所の作家が手掛けたもののみです。比率としては作家9:ギタリスト1くらいですね。

    ――もう少しギタリストとしての仕事を増やしたいとは思わないのでしょうか?

    板垣:
    そうですね。でんぱ組.inc以外でライブサポートをやってしまうと稼働する時間が取れなくなりますし、せっかくいただいたお仕事ができなくなるので……(笑)。

    ――音楽作家として劇伴のお仕事も手掛けていますが、こちらもここまで説明いただいたジャンルとテイストが違いますよね。

    板垣:
    僕が担当してきたものに関しては、どれも後で映像が付くもので、自分が映像を観られることはあまりなくて。オーダーシートをもとに、シーンごとの様子に対して書かれた言葉から、音楽を作っています。場面場面である程度尺が決められていて難しいのですが、そこを狙って良い曲が書けたときはすごく楽しいですね。



    ――アウトプットするうえで、使う筋肉が違うということですね。劇伴に対しては、ご自身のどのような経験が活きたと感じていますか。

    板垣:
    楽器の編成が普通のJポップとは違いますし、楽器によって音域や分担があるためそこを構築するのが大変です。普段ポップスの仕事をしている作家さんだと、結構神経をすり減らすことになります。曲数も多いですし。

    ――そういうときに、以前勉強されていたジャズやフュージョンが生かされていますか。

    板垣:
    そうですね。多少は活かされていると思います。コードの書き方や長尺の曲など、その経験をもとに楽曲を作ることが多いですね。

    ――コンペについての質問です。若手の方向けに「ここは気を付けたほうがいい」というポイントがあれば教えてください。

    板垣:
    前提として、コンペもオーダーによりけりだと思います。ただ、一般的なコンペに対して通るコツに関しては、「自分自身で納得できる曲かどうか」ではないでしょうか。独りよがりという意味ではなく、自分に対して責任を持つというか。最終的にデモを提出する段階で「このメロディーでいくんだ」「作曲の過程を考えても、これがベストだ」と本当に納得できるかどうかですね。それくらい突き詰めていないと、人には届きません。また、どんなコンペに対しても言えることとしては、本当に自信のある作品なら、たとえそのコンペに通らなくても後日別のコンペで通るということが多くて、自分もそういう経験をしてきました。だから、自分でも「良い作品だ」と自信を持てたものはいずれは決まるだろう、という根拠のない自信のようなものは多少ありますし、自分が納得できる曲を自分自身で責任を持って作ることができるようになると、事態は好転してくると思います。

    ――それについては、ヒャダインさんも近いことを教えてくれました。

    板垣:
    そうなんですね(笑)。あとは、あまり深く考えすぎないことも大事かもしれません。そうすれば無駄に消耗せず、長く続けることもできると思います。

    ――ご自身のサイトでは使用機材を公開していますが、そのなかでもとくにお気に入りなのは?

    板垣:
    今使っている『Apollo interface』(Universal Audio)は、現在の制作環境においてなくてはならないものです。プラグインの「UAD」も含めて重要ですね。あと、初めのころは『Ensemble』(Apogee)を使っていて、これも使いやすくてよい機材でした。

    ――『Apollo interface』はどう重要なのでしょうか。

    板垣:
    プラグインの使い勝手がいいことと、音質が良いことですね。『AVALON DESIGN AD2022』というハイファイでクッキリしたマイクプリアンプもあって、アコースティックギターやベースをマイクで録る際にはこちらを使います。

    ――定期的に機材を買い替えるタイプですか?

    板垣:
    ここ4~5年くらいは安定していて、最近は替えていないですね。ただ、どちらかといえば、僕は新しい機材が好きなほうなので、良い機材があれば買い足します。

    ――気になる方も多いと思いますので、普段、どんなスケジュールで制作を行っているかということも聞かせてください。

    板垣:
    普段は毎日、規則正しく決まった時間に作業をしています。9時前くらいに起きて、10時から12時まで仕事をして、13時頃にお昼ご飯を食べ、13時から15時まで仕事をし、15時から16時までは散歩などでリフレッシュをしています。夕方以降は18時半くらいまで仕事をし、18時半から21時くらいまでご飯を食べてゆっくりし、深夜2時くらいまで作業をして、お風呂に入って寝るという感じですね。

    ――作業時間が点在していますが、「この作業は朝に、この作業は夜に」と分けているのでしょうか。

    板垣:
    特にどの時間にはどんな作業を、という決まりはなくて、やらなければいけないという優先順位で朝から作業をしている、という感じです。



    ――ほかの作家さんだと、時間によって作る曲のテイストが変わる方もいるようです。

    板垣:
    ちろん僕もそういうことはなきにしもあらずですが、最近は夜に眠くなっちゃうことも多くて。だから、今日中になんとしても1曲書こうという日は朝から細かく「メロディーまで作ろう」などと決めている部分もあります。作業の順番的には、朝にメロディーを作って、午後からアレンジを詰めていくことが多いです。

    ――現在1曲を仕上げるのにどこまで時間をかけていますか。

    板垣:
    最近は、デモ音源に1日から1日半くらいの時間をかけています。仮歌は基本的にデータのやり取りだけなので、呼んで録音するよりは手間もかからないのですが、それでも後からアレンジを詰めていくことを考えると早めにお願いしなければならず、締め切りギリギリまでブラッシュアップして最後に提出するのが多いですね。まあ、安定してそれが毎日できていたら、沢山曲ができるんですけど……(笑)。なかなかそうもいかなくて、一度でも勢いをつけて作ってしまうと、次の日に同じペースを持続するのはなかなか難しいので。

    ――2016年1月23日に行う予定のワークショップ『Music Factory Tokyo presents「Music Creators Workshop」キャッチーな曲のヒミツ教えます!〜王道歌謡曲の作曲テクニック〜』では、受講生たちにどのようなことを伝えていく予定でしょうか?

    板垣:
    僕に対して「アイドルの王道ソングを作る人」というイメージを持っている方が多いと思うので、そのまま「王道ソングとは?」「アイドルの王道ソングを作るうえでのメロディーの選び方」のようなことを伝えたいです。あとは先ほど話したような「キャッチーさの基準」や、普段やっている楽曲の作り方なども伝えられたらいいですね。

    ――そのうえで、受講生にはどんなものを持って帰ってもらいたいですか。

    板垣:
    持って帰ってほしいのは、単純な知識や技術論ではなく、精神的な部分ですね。悩みすぎず、諦めずに曲を作り続けることができるか。とにかくコンペに1曲通るまで、100曲納得できる曲を作るまでは頑張ってほしいですね。そこまで徹底してやれば、必ず作家として大きく成長できると思うので。



    ▼プロフィール

    板垣祐介(Yusuke Itagaki)
    Lyrics/Compose/Arrange/Sound Produce/Guitar
    東京都出身8月24日生まれ

    高校時代にギターを手にしたことをきっかけに音楽の道を志す。大学時代には自身のバンドの他、ギターリストとしても活動。その後、ギターリスト活動と平行し、2006年頃から作曲家、編曲家として活動を開始。

    POPROCKからBossa、Acoustic soulなどギターを軸としたアレンジを得意とする。また、ProductionI.G制作のアニメ「チョコレートアンダーグラウンド」のサウンドプロデュースを担当するなど、ジャンルを問わない幅広い活躍をみせている。主な参加作品AKB48、いきものがかり、CHEMISTRY、Hey!Say!Jump、ハロープロジェクト関連、etc...

    ▼板垣祐介がMusic Creators Workshopに初出演決定!

    Music Creators Workshop
    キャッチーな曲のヒミツ教えます! ~王道歌謡曲の作曲テクニック~

    日程:2016年1月23日(土)
    講師:板垣祐介
    ナビゲータ-:多田慎也
    場所:テレビ朝日ミュージック 本社屋
    料金:3,500円(税込)

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    2015.12.23

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