Music Factory Tokyo

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  • 10/24(土)開催「Music Creators Workshop ~作詞編~ 魅力的な伝え方とは~コトバ選びと構成テクニック~」多田慎也×下地悠

    作詞家にスポットを当てた音楽ワークショップ『Music Factory Tokyo presents「Music Creators Workshop」~作詞編~「魅力的な伝え方とは~コトバ選びと構成テクニック~」』が10月24日に開催された。

     この日の講義では、全2回の作詞編に引き続き、AKB48「ポニーテールとシュシュ」や嵐「マイガール」を手掛けている多田慎也がヒット曲に隠された歌詞の“仕掛け”を解説。ゲストにはKARA「GO GO サマー!」を手がけている作詞家の下地悠を迎えて様々な話が繰り広げられた。

    なお、今回の講義は3部に分けて行われ、第1部では2人が事前に提出された提出課題を評する「事前課題添削」、第2部では「作詞の4つのコツ」というテーマにちなんだ講義が、3部では受講生からの質問に2人が回答する「質疑応答」を実施。

    冒頭、受講生72名の前に多田と下地が登場。「プロに提供したことのある人」も、「最近作詞を始めた人」も数名おり、経験者も多数いることがわかったところでワークショップがスタートした。

    第1部の「事前課題添削」では、受講生が「2016年4月デビューの5人組新人ダンスヴォーカルユニット」、「賃貸不動産会社のCMタイアップ決定済み」「START・新生活・旅立ち・卒業がテーマ」などと書かれたコンペシートを元に、多田が書いたトップラインに合わせ、歌詞を制作。2人はこの課題に対し、一人ひとりに手書きでコメントを書いて返信し、この日は8名の作品を講評した。また、会場では事前課題をまとめて見ることができるブースも用意されるなど、受講生にとっては刺激になる体験となっただろう。

    コーナーの冒頭では、多田が「今回作曲で意地悪をしました。Aメロをあえて跳ねさせていて、つい言葉を繰り返してしまいがちだけど、そうするとコミカルになる。あと、サビ頭は3文字で捉えるパターンと7・8文字で来るパターンに分かれるようにしましたが、 CMソングだと頭15秒が勝負なので、そこにどこまでキャッチーな言葉が入るか試しました」と曲に込めた意図を語ったあと、多田と下地が提出物に対し、アドバイスを贈りながらコメント。「アタックが強い母音のほうが、言葉として残りやすい」(下地)や「締めの部分にオリジナリティがないと、線がないまま水が流れる感じになる」(多田)といった指摘や、タイアップソングについて「(タイアップを)意識しすぎると、その後歌いにくいものになってしまう」(多田)、「あからさまに企業名が入ったり、露骨なワードが出てしまうと、ダメ」(下地)といった作詞のコツなどが明かされた。

     小休止を挟んで行われた講義では、「作詞の4つのコツ」についてのトークが展開。まずは【作詞家に求められること】という1つ目のテーマについて、多田が「作詩家でなく作詞家であること」と掲げ、「メロディと統一させることが作詞家として大事なこと。それを縛りと考えるのか、遊び場と捉えるかで、能力の発揮の仕方が違う」と解説し、続けて「最高の歌詞ができたから、メロディを変えてもいいのかという問題があるが、それは作業工程を戻ることになるし、現状は大作家でもないかぎり、そういったことはできない」と現状を語った。また、下地は同じテーマに対して「1+1を3にできる力」と掲げ、「メロディと発注書に基づいて書くのは作詞屋さん。そこに技が入って花を開かせることができるのが作詞家」と、作家としての教示を明かした。

    続く【魅力的に伝えるための拘りや業とは】というテーマについて、多田は「オリジナリティーとは聞き手を熱くさせるものであって、冷ましてしまうものではオリジナリティーと呼ばない」と提唱。多田はこれについて「冷ましてしまうのは、言葉の重複。例えば空とか道とか光とか、比喩でも持って来やすいし発声しやすいもの。あえてそうしているものは伝わるときがあるけど、無頓着になってしまっては伝わりません。指示代名詞も気をつけたほうが良いかな」と語り、下地は自身の拘りや業について「Aメロの可視化〜究極のブリーフエンターテインメント〜」と掲げた。下地はこの答えについて「コンペの勝敗の分かれ道は、50%以上Aメロで決まると言っても過言ではない。映画やドラマ、小説などは、すべて序章があって、最少単位で物語を伝えている。Aメロで言いたいことを言えない人に、Bメロやサビは書けないと思われてしまいます」と警鐘を鳴らした。

    また、多田は「作詞で大事にしているのは『テーマ』『トーン(質感)』『音感』『語感』」と語り、そのうちの「語感」については「商品がリリースされるのは4月だとしたら、桜の歌はもう合わないし、8月にクリスマスソングを書いたりするので、その辺りの季節感も意識して欲しい」と、プロの音楽作家ならではのバランス感覚について話した。これに対し、下地は「日本語の短い文章でどこまで意味を成すか、どこまで言葉を減らせるか研究していて。Yahoo!Japan!のトップページにあるニュースの見出しは、すべて15文字以内になっているのですが、あれが究極の形だと思っています」とヒントを与え、多田も「僕もメモりたいくらい」と笑いながらつぶやいた。

    3つ目のテーマである【スランプからの脱出方法】に関しては、多田が「センサーをフラットに」と掲げ、「酔っ払って帰ってきて詩を見て、いいなと思えるものは大事。歌詞は一度世にでるとどうにもならないから、文法が間違ったとしても自分で説明がつくようにしないといけないし、そのくらい自信を持って出してほしい。ただ、楽器ができないからといって作詞家になるのだとすればそれは間違い。誰でもできるからこそ、勝ち残って一流になるのは、作曲家よりも難しい」と辛口のコメントを交えながら語った。同じテーマについて、下地は「メロディの聴き方を変えてみる」と述べ、その理由について「決まった言葉が頭の中に充満して取れない場合が多い。そんな時僕は音を鳴らした状態で書斎のドアを閉めてみると、余計な言葉が聞こえない状態で音を聴ける」と、リセット方法を受講生に伝授した。

    最後のテーマ【作詞家として仕事をしていくために必要なこと、大事なこと】について、多田は「多くの人が詩を書いているつもりだとは思うけど、歌があってこそのものなので、作品ではなく商品や製品を作る感覚でやってほしい」とアドバイスを贈ると、下地は「オールマイティよりスペシャリティに」と掲げ、「何作も書いていると、得意なジャンルやテーマ、メロディラインやリズムが見えてくる」と自身の経験をもとに作詞家としてステップアップするために通るべき道を明かした。

    その後行われた質疑応答では、「歌詞を書く時にタイトルから考える?」や「クライアントの要望とオリジナリティの比重は?」という質問などが飛び交い、最終的に下地がデビューするまでのきっかけなどが赤裸々に語られたところで、ワークショップが終了した。

    次第に受講生も増えつつある同ワークショップ。次回は2016年1月23日、2月27日には編曲を題材にしたものが開催される予定で、こちらは多田慎也をホストに、生田真心・板垣祐介がゲスト講師として登壇することになっている。


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    >過去のワークショップレポート

    2015.11.16

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