column
-
堀向直之楽曲徹底分析 ICE「Love Makes Me Run」今回紹介するのは、ICEが1996年にリリースした「Love Makes Me Run」です。この曲を最初に聴いたときに感じたのは、「ギタリストが作る楽曲っぽい」ということ。自分は鍵盤で作曲を行っているため、この程良いロックテイストとバンド感はとても魅力的に思えましたし、羨ましくもありました。
たくさんの要素をギュっと詰め込んだ最近のJ-POPの楽曲とは対照的に、この曲はとてもシンプルなサウンドに仕上がっています。その分、ギターのオクターブ奏法やオルガンの音色、印象的なコーラスワークなど、各パートの魅力が際立っていて、今でも新鮮に聴こえます。
また、この曲には特筆するような真新しいコード進行があるわけではありません。しかし、F-7とG-7の繰り返しによって独特のドライブ感を生み出していて、そのルートがCメジャーに帰結することで、浮遊感やクールな印象を演出しているように感じます。
堀向直之2015.05.07