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多田慎也楽曲徹底分析 大事MANブラザーズバンド「それが大事」「それが大事」は、カラオケ店で必ず合唱が聴こえてくるような、誰もが歌いたくなる楽曲で、それこそがこの曲がヒットした理由に繋がっています。つまり、“シングアロング”ができる楽曲だということです。この曲は、歌メロが絶対的な力を持っていて、サビの部分は楽器が無くてもみんなをまとめることができる。だからこそ、震災の時に多くの人を勇気づけたと考えています。
その理由を分析すると、Aメロはサビの別バージョンのような覚えやすい構成であり、シンプルなコードワークを使っていますが、展開もしっかりとある曲です。音価(音に与えられた楽譜上の時間の長さ)が長くて大きい。つまり、全体を通じたメロディの情報量が多く、特にサビはほとんどボーカル以外に楽器を入れる隙間がないということです。ずっと歌っていてもそこに管楽器や鍵盤を入れるタイミングがなく、メロディだけを歌っても楽しめる楽曲であり、歌だけで完結できるということです。
この、“歌だけで完結できる”というのは、歌を大事にする日本人らしい考え方であり、自然に聴衆が反応する大きなポイント。でも、実際にそういった楽曲を作る時にはサビ以外での楽器と歌のバランスが難しいので、作曲時にはその部分に気を配ってほしいです。
多田慎也
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ツイート2015.12.07